物理学

クライン・ゴルドン方程式

※今日の理論は難解なので、物理嫌いな人は無視しちゃって下さい^^ この方程式は相対論的波動方程式と呼ばれ、特殊相対論と量子論を統合させた理論であり、主にスピン0のボゾンを記述する方程式です。 では、早速ですがこの方程式の導出を試みようと思いま…

電磁理論

ほぼ完成されている分野である電磁気学ですが、掘り下げれば掘り下げるほど、知らなかったことが結構でてきますね〜。授業で一度は習っているのかもしれないけど、もう忘れてしましたし...。しかし、一度やれば物理的な考え方や問題に対するアプローチの仕方…

相対論的量子力学への誘い

以前にも書きましたが、量子力学におけるシュレディンガー方程式は と書き記されます。ここで、は状態ベクトル、はハミルトン演算子を示します。このシュレディンガー方程式は時間依存しますので を上の式に代入し整理すると となりますね。ここでEはエネル…

量子力学

今、Quantum Physics(Stephen Gasiorowics)をやっていますが、章末問題が邦訳版にはないほどバリエーションが豊富で面白い。ここまで物理にはまるとは自分でも思ってもみなかったり。

エネルギーと質量の等価性

以前、相対論的運動方程式の記事で紹介した一般的な質量が静止質量に対してγ倍されるという事実に基づいて、以下のエネルギーと質量の関係式を導き出すことができます。 これは、我々が普段目にするものとは違ってますよね? 我々がよくみるのは ですよね^…

相対論バージョンのニュートン運動方程式

我々がよく知っているニュートンの運動方程式とは、質量をm、加速度をa、力をFとすれば と書けますよね。 しかしながら、アインシュタインが考えた(相対論的)運動方程式とは以下のようになります。 ただし、m_0は静止質量、γは1/√{1-(v/c)^2}とする。 こ…

回転群とローレンツ群

それではお待たせしました、群論講義といきますね^^ まずは、群というものを定義します。 群Gとは、その元g∈Gに対して次の性質を満たす。 演算"×"が定義されている集合 (鄯)Gの任意の2元g1,g2に対して演算g1×g2が定義され、それもまたGに属する。(鄱)この…

複素関数論終了、電磁理論へ、そして今後の課題

漸く重要なポイントはある程度抑えられたので、一先ず終了とします。 次は電磁気学を復習するつもりで、マクスウェル方程式からスタートする熊谷信昭さんの『電磁理論』をやってみようかと思います。 電磁気学には、 ①最終章あたりでマクスウェル方程式の導…

マンガでわかる『超ひも理論』を読んで

本書は、平易な文章と図解でかの難しい『超ひも理論』をわかりやすくまとめられており、一気に読むことが出来ました。大衆向けの物理学に関する書籍はほとんどが予備知識を前提とせず、一冊である程度の概観をつかめるようになっておりこれはいい傾向かと思…

最先端の物理学

今日、科学作家の竹内薫さんの『ループ量子重力入門』を読んでみました。 量子重力理論という高度な内容を一般の読者にも概要が理解できるよう分り易く纏められた数少ない良書だといえます。 (ただちょっと物足りない気がしますが...) 数式はところどころ…

特殊相対性理論とは

一般的には、物理学科生の物理を学ぶ理由としては、『相対性理論』と『量子力学』という科学を支える2題テーマを学ぶことにあるようです。 その内の『相対性理論』を今回は紹介しますが、『相対性理論』の中には2種類あり『『特殊相対性理論』と『一般相対…

測地線の方程式

測地線の方程式とは、最小作用の原理をもとにしており、『作用を最小にする経路』を記述する方程式です。 よく具体論として出されるのは、ボールを斜方投射したときに緩やかな放物線を描き、そのままの勢いで落ちてくる過程を想定した場合には、実際目でみる…

Schwarzschild解

についてある程度学んだので近日中に、ブラックホール特集をやりたいかと思います。 重力場の方程式を導出するまでは多分大丈夫なのですが、これをもとにオッペンハイマー・ボルコフ方程式を導くのはまだ出来ません...。 (そこまで難しくないようですが...…

ディラック記法は便利な記法

通称、『ブラ・ケット』というのですが、使ってみるとすごく便利。依然書いたシュレディンガー方程式 が と表現され、ほとんど変ってないように思いますが、 と定義されますので、複雑になればなるほどその威力を発揮する有効な記法だと思います。因みに、エ…

テンソル解析第二段

前回は反変ベクトル・共変ベクトルの成分のさわりの部分のみ紹介しましたが、厳密にやればやるほど混乱してくると思われるため、今回は新しいところを紹介したいかと思います。 今回、記事として纏めるところは、反変ベクトル・共変ベクトルの基底とテンソル…

テンソル解析の導入部

(※今回の記事の前提知識は、線形代数、偏微分ですので大学初年次程度だと思います。) テンソルとは、何ぞやの疑問にこたえるためまずは導入的な部分に触れていきたいかと思います^^ そのためには、ベクトルというものを再度定義しなければなりません。 …

興味深い記事があったので載せておきます

→科学新聞より引用 『日本の数学研究 衰退顕著』 礎の学問である数学研究で日本は危機的状況にあり、緊急に強化しなければならない。科学技術政策研究所は、数学研究を取り巻く世界的状況と日本の研究者が持つ数学に対する認識を調査し、数学研究の振興を提…

ダランベールの演算子

ダランベルシアン□は (Δ:ラプラシアン)のように定義されます。よって、一般的に波動方程式は □u=0 と簡単に書き直せます。これを用いれば、マクスウェル方程式がより簡単に書けますが、ここでは省略したいかと思います。

重力場の方程式まであとちょっと

あと少し相対論を勉強すれば、アインシュタインの重力場の方程式が導出できそうです。 今までの物理学には出てこなかった道具、テンソル代数やリーマン幾何学に多少ながらも四苦八苦してしまいました。 まあ、まだ完全にこれらの道具を身に付けたわけではあ…

ひも理論を勉強するためのステップ

『超弦理論とM理論』っていう高額な書籍が大学生協に販売されていて、拾い読みをしたところ、この本を読みこなせるようになるためには以下のステップを踏む必要があるかと個人的には思いました。 まず、高校程度の数学及び物理学はほぼマスターしていること…

ローレンツ収縮・ローレンツ変換

まず、ローレンツ収縮とは、大学の物理学に多少興味のある方なら分るかと思いますが、そうでなくとも何となく想像が付くかと思いますが、 『エーテルに対して、速度vで運動している物体は、その方向にのみの割合で縮む』っていう仮説です。 このローレンツ収…

今までのまとめ

特殊相対論を完成させる上で、ニュートンの古典力学の時代から19世紀半ば頃のマックスウェルの電磁理論の成立を受け、光の粒子説&波動説の論争の決着が付いた後、19世紀の末になって、マイケルソンとモーレーが有名な干渉実験を行うことでエーテルの存…

ローレンツ変換のためのテンソル解析

一先ず、ローレンツ変換を記述する上で、まともに記述すると膨大な量になるので、ここで、テンソル解析の基礎中の基礎を一寸紹介したいかと思います。テンソル解析とは一言でいうなれば『添え字が上についたり、下についたりして複雑そうに見える一方で、ア…

マイケルソン・モーレーの実験

今回は、前回の記事Maxwell方程式のガリレイ変換性の続きとして、絶対静止系(エーテル)の探求についてお話をしたいかと思います。前回で『Maxwell方程式はガリレイ不変ではない』ということがわかり、じゃあ次に物理学者たちは何をしたのかといえば、そこ…

シュレーディンガー方程式とは

一般的には (ただし,V:実ポテンシャル,ψ:波動関数) のように記述されます。 これはニュートンの運動方程式に対して、シュレーディンガーの波動方程式と呼ばれており、ミクロな世界での重要な、あくまで実験的データに基づく公式です。ニュートンの運動方程…

エントロピーについて

エントロピーという言葉は、熱力学を学ぶ際に必ずといっていいほど目にする重要な概念ですよね。一般的にも『時間の矢はエントロピー増大則に従っている』とか『自分の部屋はエントロピーが増えている』など、使っている方も少数派ながらいるだろうかと思い…

『ma=F』それとも『F=ma』?

『ma=F』を支持する者の意見はこうです。我々がまず最初に目にするのは、『原因』ではなく『結果』です。『結果』の先には必ず『原因』があり、『ma=F』は(本質的な意味では)『(結果)=(原因)』ですが、『結果』から先に書き、『原因』を後に記すと主張…

Maxwell方程式のガリレイ変換性

電磁気現象を支配するのがマクスウェルが提唱した4つの方程式、『Maxwell方程式』です。今日は、昨日の続きとして、ガリレイ変換がマクスウェルの理論を満足しないことをみてみましょう^^真空中(電荷密度ρ=0,電流密度j=0)のMaxwellの方程式は (アンペ…

ガリレオ・ガリレイの相対性原理(簡易版)

以前、この原理を紹介しましたが、中盤でテンソル解析を用いてしまったため、かなりわかりにくいと思った方が多数おられるかと思います。 (前回の記事→ガリレイの相対性原理) そこで、今日は、『ガリレイの相対性原理』が『世界を支配しない原理である』こ…

ガリレイの相対性原理

ガリレオ・ガリレイは天動説を否定し地動説を唱えた科学者として有名ですが、落体の法則や浮力に関する実験などをし、とても勉強熱心で彼が自然科学に与えた影響はニュートンに次ぐものであると考えられます。そこで『ガリレイの相対性原理』をちょっとばか…