相対論的量子力学への誘い

以前にも書きましたが、量子力学におけるシュレディンガー方程式

i{\hbar}\frac{\partial}{{\partial}t}|\psi(\mathbf{r},t)\rangle=\hat{H}|\psi(\mathbf{r},t)\rangle

と書き記されます。

ここで、|\psi(\mathbf{r},t)\rangle状態ベクトル\hat{H}はハミルトン演算子を示します。

このシュレディンガー方程式は時間依存しますので

|\psi(\mathbf{r},t)\rangle=e^{-\frac{iEt}{\hbar}}|\phi(\mathbf{r})\rangle

を上の式に代入し整理すると

\hat{H}|\phi(\mathbf{r})\rangle=E|\phi(\mathbf{r})\rangle

となりますね。ここでEはエネルギー固有値を示します。

さて、非相対論ではエネルギーEは

E=\frac{p^2}{2m}+V(\mathbf{r})

のように書かれ、これは我々がよく知っている運動エネルギーとポテンシャルエネルギーの和は保存されるというやつですね。

一方、相対論ではエネルギーEは

E=sqrt{p^2c^2+m^2c^4}

と表されます。

このエネルギーEをシュレディンガー方程式に組み込むことで、相対論的な波動方程式、つまり、ディラック方程式が導出されることがわかるかと思います^^ディラック方程式はよく電子の相対論的な運動を記述する道具として用いられておりかなり有用なものだと思います。

今回はこれで終わりにしておきます。