エネルギーと質量の等価性

以前、相対論的運動方程式の記事で紹介した一般的な質量が静止質量に対してγ倍されるという事実に基づいて、以下のエネルギーと質量の関係式を導き出すことができます。

\;\;\;E=\frac{{m_0}c^2}{\sqrt{1-(\frac{v}{c})^2}}

これは、我々が普段目にするものとは違ってますよね?


我々がよくみるのは

\;\;\;E=mc^2

ですよね^^


これは質量mが

\;\;\;m=\gamma{m_0}=\frac{m_0}{\sqrt{1-(\frac{v}{c})^2}}

であるため、E=mc2に代入すると

\;\;\;E=\frac{{m_0}c^2}{\sqrt{1-(\frac{v}{c})^2}}

となるのです。アインシュタイン直筆の論文にもこれと同じ式が書いてありました。


さて、このエネルギーと質量の関係式をテイラー展開してみますと

\;\;\;E={m_0}{c^2}\{1+\frac{1}{2}(\frac{v}{c})^2+\frac{3}{8}(\frac{v}{c})^4+...\}


\;\;\;\;\;={m_0}c^2+\frac{1}{2}{m_0}{v^2}+\frac{3}{8}{m_0}{\frac{v^4}{c^2}}+...

となりますね。


このエネルギーEの右辺の第一項目は静止エネルギー、第二項目は運動エネルギー、第三項目は電磁的なエネルギーを表しています。


ここで、m0=1gの物質(例.1円玉)をすべてエネルギーに変換すると

\;\;\;E\simeq{m_0}c^2

とみなしていいほど第二項目以降は小さいから

\;\;\;E\simeq10^{-3}[kg]*(3*10^8[m/s])^2


\;\;\;\;\;=10^{-3}[kg]*9*10^{16}[J/kg]=9*10^{13}[J]

これはどれだけのエネルギーをあらわしているのかといえば、1calは4.2Jですから

\;\;\;E\simeq2.14*10^{10}[kcal]

ですね。


これは石油20万リットルと同じだけのエネルギーをもつため莫大なエネルギーです。


そう、これらのアイディアを用いて原子力関係者はより多くのエネルギーの獲得を目指しているのですね^^