マンガでわかる『超ひも理論』を読んで

本書は、平易な文章と図解でかの難しい『超ひも理論』をわかりやすくまとめられており、一気に読むことが出来ました。大衆向けの物理学に関する書籍はほとんどが予備知識を前提とせず、一冊である程度の概観をつかめるようになっておりこれはいい傾向かと思います^^


僕は今まで『超ひも』という言葉自体は何度も聞いたことがあり、『最小物質である素粒子をひも状のものとして考える』くらいしかよくわかっていませんでしたが、この本では、量子力学から相対性理論素粒子や超対称性理論、そして、量子重力理論や超ひも理論、更にM理論まで書かれており、物理学における重要なテーマを一通り学べるようになっております。


そして、ナツメ社が出版する図解雑学シリーズ同様分りやすさでは充分すぎるくらい分りやすいかと思いますね。詳細は本書に譲りますが、なんといっても本書の最大のテーマは『超ひも理論』なのでこれについてちょっとお話します。


超ひも理論』とは一言でいうなら、『ひも理論(26次元)と超対称性理論』を合わせたもので『物理学における最小単位をプランク長さ』で表すものです。超対称性をひも理論に取り入れることで26次元もあった次元が10次元までへり、その分理論としては扱いが楽になります。そして、この超ひも理論の10次元中6次元がコンパクト化され、残りは我々が知っている4次元時空(時間と3次元空間)ということだそうですが、ここまでくると信憑性があるのかないのか...。


更に、超ひも理論には5パターンあり、タイプⅠ、タイプⅡA、タイプⅡB、ヘテロ型Ⅰ、ヘテロ型Ⅱがあるようでこれらを統合すればM理論という究極の11次元理論が完成するそうで、(量子重力理論と比較しても)力の統一に最も近い理論とされています。


ここでタイプⅠとは、『開いたひも』と『閉じたひも』が存在するタイプであり、タイプⅡA、Bは閉じたひものみを扱い方向が異なっているため2つのタイプに分かれています。そして、ヘテロ(混成)タイプは特殊な理論を組み込んだものでどうやらヘテロ型Ⅱが現在最有力候補となっているようです。


もうなんのことかわけわからなくなりそうですね...^^;


このようにひもを素粒子の代わりとして理論の枠組みに取り入れることで、電子や陽子、中性子などひもの巻数や方向によってこれらの粒子を綺麗にあらわすことができます。(例えば、中性子なら2回巻で時計周りのひもと2回巻で反時計周りのひもを合わせると中性子になるといった感じです。)


今回はこれ以上は書きませんが、詳しく知りたい方は超ひも理論M理論超弦理論などと書いてる書籍を当たってみて下さい^^