Schwarzschild解
についてある程度学んだので近日中に、ブラックホール特集をやりたいかと思います。
重力場の方程式を導出するまでは多分大丈夫なのですが、これをもとにオッペンハイマー・ボルコフ方程式を導くのはまだ出来ません...。
(そこまで難しくないようですが...)
この方程式は球対称で静的な星の内部の構造を決定する3本の方程式でありますが、勿論、星の外部の構造もある条件のもとで書き記すことができるのです。
半径r=2M(シュバルツシルト解)のところで重力ポテンシャルが無限大になりますが、この球面で重力が無限大になっていることを意味してはいません。
これは、一般相対論において座標系のとり方は自由なので、ただ座標系の取り方がよくなかったということのだけです。
つまり、他の座標系から見れば、r=2Mの地点では重力は無限大ではありません。
そこで、座標系に依存しないリーマンテンソルの内積からスカラーを求めれば、r=2Mは普通の重力空間(無限大ではない)であることが証明できます。
しかしながら、r=0でこのスカラーが無限大となり奇妙な値を持ってしまいます。
これが特異点と呼ばれ、一般相対論では解決できない唯一の欠点となってしまいます。相対論に多少興味のある方なら、『一般相対性理論の破綻』という言葉を耳にするかと思いますが、これのことです。
量子力学の世界では、特異点で無限大の値を持つのではなく、有限の値を持つことがわかっているようです。
でも、結局は決定論で固められた一般相対論と確率論的な量子力学の統合がなされない限り、この問題の完全解明はできないでしょうし、宇宙解明も劇的には進まないのでしょうね。