ローレンツ収縮・ローレンツ変換

まず、ローレンツ収縮とは、大学の物理学に多少興味のある方なら分るかと思いますが、そうでなくとも何となく想像が付くかと思いますが、

エーテルに対して、速度vで運動している物体は、その方向にのみsqrt{1-(\frac{v}{c})^2}の割合で縮む』っていう仮説です。

このローレンツ収縮という斬新なアイディアを取り入れることにより、『No.4』の記事で書いたマイケルモーレーの実験をエーテルの存在を仮定したとしても』強引に成り立たせることができるです。


しかしながら、アインシュタインは『動いている物体の電磁気学について』という論文(特殊相対論)で、絶対静止系の存在(エーテル)をきっぱりと否定しています。要は、一言でいうなら『電磁気学はすべて相対的だぞ』って主張しているのです。これは誰の目から見ても自明であって疑いようがありません。


よくアインシュタインは『(特殊)相対性理論』でノーベル賞を受賞したと誤解されてますが、実際は(エーテル存在の肯定者に対して決定的なダメージを与えた)『光電効果』でノーベル賞を受賞しています。


さて、話が逸れてしまったので、ここからはローレンツ変換について簡単にお話します。

ローレンツ変換を完成させるには、『同時性の概念』『光速度不変』『時空の等方性』を仮定する必要があります。大体イメージできるかと思いますので説明は省略しますね^^

そして、この3つの条件を満足するような慣性系間での座標変換がローレンツ変換というわけですが、まともにやれば莫大な量になるので、ここでは結果のみ記します。


ある座標系\(\array{t,&x,&y,&z}\)=\{x^{\alpha}\}に対して、x軸方向に速度vで動いている座標系\(\array{t',&x',&y',&z'}\)=\{x^{\alpha'}\}へのローレンツ変換

x^{\alpha'}=L^{\alpha'}_{\beta}x^{\beta}

となります。

どうですか?式一本とは凄いですよね。テンソルの威力が感じられます。

因みに重要なL^{\alpha'}_{\beta}はというと

L^{\alpha'}_{\beta}=\(\array{\\{1$\gamma_v}\quad{-{0$\beta}_v{0$\gamma}_v}\quad{0}\quad{0}\\{-{0$\beta}_v{0$\gamma}_v}\quad{0$\gamma_v}\quad{0}\quad{0}}\\{\;0\;}\quad{\;0\;}\quad{\;1}\quad{0}\\{\;0\;}\quad{\;0\;}\quad{\;0}\quad{1}\)

となります。

ただし

{\gamma}_v=\frac{1}{sqrt{1-(\frac{v}{c})^2}},{\beta}_v=\frac{v}{c}

とします。