テンソル解析第二段

前回は反変ベクトル・共変ベクトルの成分のさわりの部分のみ紹介しましたが、厳密にやればやるほど混乱してくると思われるため、今回は新しいところを紹介したいかと思います。


今回、記事として纏めるところは、反変ベクトル・共変ベクトルの基底とテンソルについてです。


一応、前回の記事へのリンクを貼っておきますので、参照したい方はクリックして下さい^^

テンソル解析の導入部

あるベクトル\vec~Vの座標系(x,y)での成分が\{V^i\}とします。

\vec~V=V^{x}\vec~e_x+V^{y}\vec~e_y=V^{i}\vec~e_i

ただし、

\vec~e_x=\(\array{1\\0}\)\;,\;\vec~e_y=\(\array{0\\1}\)

と書くことができます。


ベクトル\vec~Vの座標系(\xi,\eta)での成分を\{V^{i'}\}とすると、この座標系での基底ベクトルを(\vec~e_\xi,\vec~e_\eta)=\{{\vec~e_{i'}\}を用いて

\vec~V=V^{\xi}\vec~e_\xi+V^{\eta}\vec~e_\eta=V^{i'}\vec~e_{i'}

となります。


成分変換では

V^{i'}=\Lambda^{i'}_{j}V^j
V^{j}=\Lambda^{j}_{i'}V^{i'}

ですが、反変ベクトルの成分に対する基底ベクトルの変換では以下のようになります。

\vec~e_{i'}=\Lambda^{j}_{i'}\vec~e_j=\frac{{\partial}x^j}{{\partial}x^{i'}}\vec~e_j
\vec~e_j=\Lambda^{i'}_{j}\vec~e_{i'}=\frac{{\partial}x^{i'}}{{\partial}x^{j}}\vec~e_{i'}

一方で、共変ベクトルの基底ベクトルでは

{\tilde~d}x^j=\Lambda^{j}_{i'}{\tilde~d}x^{i'}=\frac{{\partial}x^j}{{\partial}x^{i'}}{\tilde~d}x^{i'}
{\tilde~d}x^{i'}=\Lambda^{i'}_{j}{\tilde~d}x^{j}=\frac{{\partial}x^{i'}}{{\partial}x^{j}}{\tilde~d}x^{j}

となり、\{{\tilde~d}x^i\}は行ベクトル({\tilde~d}x,{\tilde~d}y)になっていることに注意して下さい。


※続きは数時間後。