数学

2階の非斉次方程式.

前回証明したように、2階の斉次方程式は容易に基本系が求まる一方で、今回の2階の非斉次方程式は少し厄介である. 非斉次方程式 d2y/dx2+p(dy/dx)+qy=r(x) (p,q:実数) の一般解を求めたい訳だが、代入法より手間のかかる一般的な手法で解きたいと思う.なる…

トポロジーへの挑戦.

本日、トポロジーを聴講すべく理学部に侵入し、授業実態を一目みておこうかと思う.まだ、履修登録の許可が降りたわけではないから、決定というわけではないのだが、どうやらこの授業は3年次が対象のようだ.こっちは工学部って言う時点で、大大大のハンデが…

二階の斉次微分方程式.

定数系数をもつ二階の線形微分方程式 d2y/dx2+p(dy/dx)+qy=r(x)を考える.p,qは実数で、r(x)はxの連続関数である.そこで、今回は見出しにもあるように、r(x)=0の場合、つまり、斉次微分方程式の場合に関する一般解の導き方を紹介したいと思う. d2y/dx2+p(dy/d…

一階の線形微分方程式(その2).

前回の一階の線形微分方程式に続いて今回は、電気回路理論での直列RC回路における短絡波のときのコンデンサに蓄えられる電荷の時間的変化をみていきたいと思う. まず、問題の設定をすると 直列RC回路に短絡波の起電力E(t)を加えたとき、コンデンサに蓄…

数学史も世界史や日本史と同様に高校のカリキュラムに取り入れられたら...

高校時代に社会科目といったものをやったことはあるだろうが、最近代わりとして数学史を取り得れるのも悪い考えではないように思えるようになってきた. 数学史ならば、社会性が身に付き難いという一面性を兼ね備えているのも否定できないが、世界史や日本史…

微分方程式の基礎

微分方程式が具体的に、自然現象とどのように結びつきがあるのかを目で見て知ってもらう為、今回は『空気抵抗を受けて落下するボールの速度の変化』を調べてみよう.初心に帰り、まず、日常空間においては重力が働いているので、必ず物体は力の作用を受け地球…

フェルマーの最終定理...!?

フェルマーの最終定理は、天才数学者たちが約350年も考え続けやっとのことで解けた超難問である.フェルマーは、この定理の証明を『余白が狭すぎて書けなかった...』といい、結果のみを記したことで、今までその定理の確実性が吟味なされてきた.フェルマー…

1階微分方程式の初等的解放(変数分離形)

微分方程式が、dy/dx=f(x)g(y)という形をしているとき(例.dy/dx=xy)、この方程式は『変数分離形』と呼ばれ微分方程式の中でも最も簡単な解法パターンである.この式の両辺をg(y)で割ると、 (1/g(y))dy/dx=f(x)となり、両辺をxで積分すると ∫(1/g(y))(dy/dx)dx…

電気回路理論における過渡現象とは!?

過渡現象とは、国語辞書(大辞泉)には「ある状態に変動があったときから次の安定状態に至る間に起こる現象」とあり、ある回路のスイッチを閉じた瞬間から安定状態までの時間的変化のことをいう.これと常微分方程式が絡んでいるわけだが、そもそも常微分方程…

多重積分による体積の求め方.

複数回積分すると、複雑な面積を求められたり、体積が求められたりする.今回は、楕円体の体積について論じていきたいと思う.仮に、領域D:x2/a2+y2/b2+z2/c2≦1 (a,b,c>0)とき、楕円体の体積Vは厳密には、V=lim[n→∞]��[k=0→n]f(xk,yk)・ΔS(xk,yk)と定義され…

多変数関数の極値問題.

厳密さを欠いてしまうが見易さを重視して書くことを先に断っておく^^ まず、多変数関数とは2変数以上の関数のことで、その極値(つまり、極大値と極小値)を求めようとする問題を取り扱う. 具体的には、一変数関数というのは、『f(x)=x3+1』のように未知…

ガンマ関数の意義.

積分の計算の簡略化において不可欠なガンマ関数に関する事項を今回述べようと思う.取り敢えず、Γ関数(Γ:ギリシャ文字で「ガンマ」と読みます)の定義を以下に記します. Γ(s)=∫[0→∞]e-xxs-1dx (但し、s>0) 例によって例の如く、例題で理解を深めてもらいた…

Maclaurin展開.

マクローリン展開とは、容易な言葉で述べれば、『函数を級数に近似すること』である.まず、手始めにテイラー展開の定義を以下に記しておくが、これはマクローリン展開を導出するための準備である.[テイラー展開の定義] 函数f(x)がn回微分可能で、x=aの近傍…

函数の極限に対するε-δ法

数列の極限と同様に、函数の極限を数学的に厳密に表現するにはε-δ法を使うのが有効である.この場合、自然数nの代わりとして連続的に変化する実数xを使うので、極限の定義は以下のようになる. 任意の正数εに対して,ある正数δが存在し0<|x-a|<δならば|f(x)-b…

ε-δ(イプシロン−デルタ)法

ε-δ法とは、大学課程の教養数学において導入レベルの扱いとして習得する内容となっているが、初めてにしては理論が曖昧で、ここから躓く人は結構いるだろうかと思う.だから、特集として取り上げたのもあるが、自己啓発のためでもある. ここで数列の収束を数…

フィールズ賞を夢見て...^^;

そもそもフィールズ賞とは、ノーベル賞には物理学、化学、医学、経済学、文学、平和学と6分野あるが、数学の業績への賞がなかったことから、J.C.フィールズというカナダ人の数学者が提案して世に生まれた事になる.日本での受賞者は僅か3人だけだけど、い…

偏微分方程式の難解性

偏微分方程式(へんびぶんほうていしき: Partial Differencial Equation )とは、未知函数の偏微分を含んだ等式で表現される微分方程式のことである.偏微分方程式は、自然科学の分野で流体や重力場、電磁場といった場に関する自然現象を記述することにしばし…

日々思うこと...

大学課程において工学部では初年次に『微分積分学』、『線形代数学』を学び、学年が上がるにつれ『常微分方程式』や『複素関数』、『フーリエ解析』を教わるのだと思う.場合によっては、『偏微分方程式』、『群と位相』を必要とする人もいるため、工学部のあ…

線形代数による経済分析と医学統計解析

昨日よりまた更に話のレベルが上がる様な気がしないでもないが、「線形代数」の重要性に関して多方面から論じてみたいと思う.線形代数を履修した方や履修しようと思ってる方にとっては参考になる話だと思うので、目を通すだけでもよいのでみていってほしいと…

情報セキュリティに対する数学的アプローチ.

興味深い話題があったので以下に紹介しておく. 高度情報化社会という言葉が古臭く感じるほど、インターネット・電子メールは今や日常生活に欠かせぬものとなってきている.しかし、こうしたサイバー空間は、成済まし・改竄・盗聴が横行する物騒な世界でもあり…

数学の重要性

数学とは、一般的には「何をしたいのかが解らない」とか「つまらない」とかという印象を持っている人はかなりの圧倒的多数を占めるはずであるのは事実だし、それを否定しようとしないが、本来の数学の役割の凄さに気づけば、これほど好まれる学問は存在しな…