多変数関数の極値問題.
厳密さを欠いてしまうが見易さを重視して書くことを先に断っておく^^
まず、多変数関数とは2変数以上の関数のことで、その極値(つまり、極大値と極小値)を求めようとする問題を取り扱う.
具体的には、一変数関数というのは、『f(x)=x3+1』のように未知数xが存在し、それに対応してf(x)が決まるものである.このことを写像って言葉でいったりもする.
それに対し、2変数関数とは、『f(x,y)=x-y』のように未知数x,yに対して、それに呼応して、f(x,y)が定まるもののことである.
ここで、極値を求めるのが本題であるから、説明を多少しておきましょう.
極値には極大値、極小値があり、ある限られた区間内において、もっとも位置が高い点(=極大値)、其れに対しもっとも位置が低い点(=極小値)が存在する.極値が存在しない場合もあるが、ここでは省略しておく^^;
要は、3次元空間(=日常空間)において物体の高さを決めていることだと考えれば早いでしょう.
では、やや込み入った数学的な内容に移りたいと思う.
但し、fxは一回だけxで微分する事を表し、
fxとfx(x,y)は同じ意味を示す.
[命題] 関数f(x,y)においてfx(a,b)=fy(a,b)=0が成り立っているとすると、点(a,b)において、 (1)fxy2-fxxfyy<0で (01)fxx<0のとき、f(x,y)は極大値をとる. (02)fxx>0のとき、f(x,y)は極小値をとる. (2)fxy2-fxxfyy>0のとき、f(x,y)は極値をとらない. (3)fxy2-fxxfyy=0のとき、2階の導関数値だけでは極値を取るかどうか判断できないため、個別に調べる必要がある.
以下より、具体例を交えて詳細に説明を施す.
[例題]f(x,y)=x2-y2の極値を調べよ.
この関数をxに関して、微分すると、
fx=2x.
更に、二階微分は、
fxx=2.
また、xで微分した後に、yで微分すると、
fxy=0.
一方、yに関して、一階微分をすると、
fy=-2y.
更に、もう一度yに関して微分すると、
fyy=-2.
ここで、
fx=0,fy=0
を満たす点(x,y)=(0,0)が極値をとる可能性のある点である.
次に命題のように、
fxy2-fxxfyy=02-2×(-2)=4>0.
だから、この場合は極値はとらない.
以上で、多変数関数の極値問題の説明を終えるが、これが一番スタンダードな方針だと思う.3D解析をやる時は、必ず必要になってくる知識であると思うので、是非身につけてほしいかと思う^^