二階の斉次微分方程式.

 定数系数をもつ二階の線形微分方程式

   d2y/dx2+p(dy/dx)+qy=r(x)

を考える.p,qは実数で、r(x)はxの連続関数である.そこで、今回は見出しにもあるように、r(x)=0の場合、つまり、斉次微分方程式の場合に関する一般解の導き方を紹介したいと思う.

   d2y/dx2+p(dy/dx)+qy=0…①

は斉次方程式であり、ここでp=0のとき

   d2y/dx2+qy=0…②

を標準形と呼ぶ.

この微分方程式①は、いつでも標準形②に直せるので、標準形②を求めることが出来れば、二階の斉次微分方程式①は求められることになる.実際、y(x)=z(x)e-px/2を①に代入して整理すると、z(x)の関数に関して、標準形②の形になる.

②の微分方程式は、代入法を用いれば簡単に解けるがここでは、長くなるので、結果のみを記す.

 (鄯)q>0のとき、q=ω2ならば

    y=sin(ωx) または y=cos(ωx)

 (鄱)q<0のとき、q=-ω2ならば

    y=eωx または y=e-ωx

 (鄴)q=0のとき、
    y"=0

となるから

    y=C1+C2x (C1,C2:任意定数)

と表せる.

以上により、標準形の微分方程式が求められるとわかった.

これで①の斉次方程式は、一般解が求められることが理解できたかと思われる.

上記の方法論はあくまで工学からの視点での数学へのアプローチであるが、「特集:常微分方程式」や「他の特集」が一段落し次第、公理から導き出された定理や公式といった理学部がやるような抽象的な議論を進めていきたいかと思う.基本的な実数の存在の証明などの整数論から、微分位相幾何学までの幅広い知識や数学者たちの偉業の数々を交えながら、なるべくわかりやすく、かつ、日記感覚で頑張って書いていきたいかと思う.