多重積分による体積の求め方.

 複数回積分すると、複雑な面積を求められたり、体積が求められたりする.今回は、楕円体の体積について論じていきたいと思う.

仮に、領域D:x2/a2+y2/b2+z2/c2≦1 (a,b,c>0)とき、

楕円体の体積Vは厳密には、V=lim[n→∞]��[k=0→n]f(xk,yk)・ΔS(xk,yk)と定義され、

∫∫∫Df dxdydz (但し、f=1) のように簡略化した形で整理することができる.

ここで、球座標変換を行うことにより(xyz空間→rθφ空間)

    x=arsinθcosφ
    y=brsinθsinφ
    z=crcosθ

と変換できる.

さきに誤差修正のためのヤコビアン行列式Jを求めておくとする.

ヤコビアン行列式J=det(a1,a2,a3)と表され、

各々の成分は
   a1=t(∂x/∂r,∂x/∂θ,∂x/∂φ)
   a2=t(∂y/∂r,∂y/∂θ,∂y/∂φ)
   a3=t(∂z/∂r,∂z/∂θ,∂z/∂φ)
だから、整理すると
   J=abcr2sinθ
が得られる.

よって、領域D':r2≦1における楕円体の体積Vは
 V=∫∫∫D'abcr2sinθdrdθdφ
  =abc(∫r=01 r2dr) (∫θ=0π sinθdθ)(∫φ=0 dφ)=abc×(1/3)×2×2π
  =(4/3)πabc.

ここで、b→a,c→aに変換すると、半径aの球の体積なることがわかるだろう.

以上で、多重積分による体積の求め方の一例を終える.

微分積分学の問題なら、何なりと質問してくださって結構です.答えられる範囲で答えます^^;