ガンマ関数の意義.
積分の計算の簡略化において不可欠なガンマ関数に関する事項を今回述べようと思う.
取り敢えず、Γ関数(Γ:ギリシャ文字で「ガンマ」と読みます)の定義を以下に記します.
Γ(s)=∫[0→∞]e-xxs-1dx (但し、s>0)
例によって例の如く、例題で理解を深めてもらいたい(^^)
[例題]ガンマ関数Γ(s)について、s>0のとき、Γ(s+1)=sΓ(s)となることを示せ.
ガンマ関数の定義より、
Γ(s+1)=∫[0→∞]e-xx(s+1)-1dx
部分積分を適用する事で以下のように簡潔に整理できる.
∫[0→∞]e-xx(s+1)-1dx=[-e-xxs]0∞+∫[0→∞]e-xsxs-1dx
ここで、ロピタルの定理より、
lim[x→∞]e-xxs=lim[x→∞]xs/ex
=lim[x→∞]sxs-1/ex
=…
=lim[x→∞]{s(s-1)…1}x/ex
=0
よって、
Γ(s+1)=s∫[0→∞]e-xxs-1dx
=sΓ(s).
故に、与式は成り立つ事が示された.
これで何がわかったかというと、Γ(s+1)=sΓ(s)を繰り返し用いると
Γ(s+1)=sΓ(s)
=s(s-1)Γ(s-1)
=…
=s!Γ(1)
=s!
となるから、
つまり、高校数学まではnの階乗は、nは自然数であることが約束されていたが、
ガンマ関数の導入により、sの階乗(sは零以上の実数)という条件に置き換わったのである.
このガンマ関数により、複雑な積分も簡単に解く事ができ、その威力を肌で感じていただいた方が発見があって面白いと思ったが、長くなるので割愛させてもらいます^^;