4次方程式の解の公式
3次方程式の解の公式と同等のやり方で解けますので、少々厄介な方を紹介したいと思います(何故3次にしないの?って思う人もいるかと思いますが、私は多少ひねくれてますのでw)。アイディア自体はカルダノの方法であるのですが、オイラーの方法で解いてみることにします。
それにしてもオイラーは活躍範囲が広いですよね。数学の分野では、有名な公式『eiπ=-1』を発見したり、オイラー定数、オイラー関数など様々なものがある反面、グラフ理論の創始者としても知られており、ケーニヒスベルクの橋の問題なんかでも有名です。(ケーニヒスベルクの橋の問題を厳密に解こうとすればルーズリーフ2,3枚分くらい使います^^;)
さて、それでは、手短に4次方程式の解の公式を紹介したいと思います。
例によって例の如く、4次方程式を
ax4+bx3+cx2+dx+e=0(a,b,c,d,eは実数でa≠0)
とします。
両辺をaで割ると
x4+b'x3+c'x2+d'x+e'=0
となりますよね。
ここで、x=t-b'/4を代入して整理すると
x4+c''x2+d''x+e''=0
の形になります。
つまり、以下の方程式を解けばよいことになります。
(便宜上係数をいじってあります)
x4+4px2+8qx+4r=0
ここで、x=u+v+wとおいて代数して整理すると
(u2+v2+w2)2+4(u2w2+u2w2+v2w2)+4p(u2+v2+w2)+4r+4(u2+v2+w2+2p)(uv+uw+vw)+8(uvw+q)(u+v+w)=0
となりますから、
(u2+v2+w2)2+4(u2w2+u2w2+v2w2)+4p(u2+v2+w2)=-4r
u2+v2+w2=-2p
uvw=-q
を満たすu,v,wを求めれば、x(=u+v+w)がもとの方程式の解となり、4次方程式の解が求められたことになります。
これらの式より
u2+v2+w2=-2p
u2w2+u2w2+v2w2=p2-r
uvw=-q
となるので、u2,v2,w2は3次方程式
t3+2pt2+(p2-r)t-q=0…(*)
の解になっています。
ここからは、カルダノの方法によって3次方程式を解くだけで、4次方程式の解の公式が得られます。
結局、x4+4px2+8qx+4r=0の解は
x=√t1±√t2±√t3,-√t1+√t2-√t3,-√t1-√t2+√t3
(ただし、t1,t2,t3は(*)の解)
3次方程式や4次方程式の解の公式を導く際のポイントとなる点といえば、『4次方程式なら3次の項を、3次方程式なら2次の項』を消去できるように工夫する必要があります。
興味がある人は続きをやってみてはいかがでしょうか^^高校の知識があればいけるかと思いますよ。
それにしても、『5次以上の方程式には解の公式がない』というのは、楕円関数論によれば、崩れている(?)ようですね。正直よくわかりませんが...^^;