微分方程式を演算子法を用いて解く時
例えば、以下の微分方程式はどうでしょう。
普通にやる場合は、特性方程式(右辺がゼロ)から余関数ycを求め、右辺が『4ex』のときの特解①と右辺が『-e2x』の場合の特解②とを代入法かロンスキアンを用いて求めなければなりません。これは結構面倒です。
そこで、求める一般解は
(C1,C2は定数)になりますが、演算子法を用いればもっと楽に解けます。
特に、特解が代数的に見事にわかるのがこの手法の威力だと思います。
演算子法を用いれば、特解①,②はそれぞれ
となります。(ただし、D=d/dx)
なぜこのようになるのか気になる方は以下の証明をご覧下さい^^
まず、関数f(t)を
と置き、t=Dを代入し
とすれば
(α:定数)より
となることがわかり、f(α)=0でないならば
が成り立ちますので、これより最初の特解①が求められたのです。
さて、もう1つの特解②を求めるための手法を証明するのは面倒ですが、簡単に説明しておきます。
uをxの関数u(x)とし、以下が成り立ちますから(数学的帰納法で証明できました)
先ほどと同様に
・・・(*)
とします。
ここで、f(t)=0がt=αでm重解を持つ場合を考えると
・・・(**)
(g(t)は任意の関数)として表現できますので、これにm回微分を施してt=αを代入すれば
・・・(***)
が得られることがわかるでしょう。
次に、(*)より
が得られ、(**)から
がわかりますね。
もう一息ですので、あとちょっと付き合ってください^^;
そして、Dmxm=m!ですから
となり、最後に(***)を適用すれば
となって、最終的な答えは以下のように書き記せました^^
よって、これは以下の公式として知られるような形に変形できますね。
そして、この公式において『f(D)=D2-5D+6,α=2,m=1』と置けば、特解②が得られることがわかりますね^^
非常に長い文章になりましたが、以上で『演算子法による微分方程式の解法』を終えます。
※それにしてもコレだけ書くと結構復習になりますねぇ。