オームの法則

オームの法則は、ドイツの物理学者ゲオルグ・シモン・オームによって、発見されたことは、物理を学んだことのある人なら誰もが知っている有名な法則(公式)です。


彼は、錠前製作工の息子として生まれましたが、子供の頃から自然科学に興味をもっていました。その後、エアランゲン大学で学位を取得し、ケルン理工科学校の上級講師となりました。そこでは、物理学を教えると同時に、設備の整った物理実験室を用いて本格的な物理実験をしました。1820年にエルステッドの電磁気現象の発見に関心を覚えてこれを研究し、電磁気学の実験を始めました。当時の電池は電圧の出力が不安定で、明確な法則を発見するのが非常に困難でした。そのため、彼は独自のアイディアで実験器具をつくり、研究を行いました。彼は、摩擦静電気発生装置を安定した電圧を作るためにつくりました。


これを用いて、彼はオームの法則を発見するわけですが、論文発表当時は認められていなかったようです。


しかしながら、イギリスのロンドン王立学会では彼の業績を認め、コプリー賞を受賞してます。そして、15年後にこれに乗ずる形で、ドイツ側も彼の功績を称えたそうです。


さて、オームの人物紹介はこのくらいにしておいて、その有名な公式を以下に記します。

V=RI

(V:電圧,R:抵抗,I:電流(何れも直流とします))

これを一般化すると以下のようになります。

v(t)=Zi(t)

(v(t):瞬時電圧,Z:インピーダンス,i(t):瞬時電流)

インピーダンスZは抵抗RやインダクタL,コンデンサCなどがあり、それぞれ固有の性質をもっており、電気回路では必要不可欠な素子とされています。
(但し、インダクタLは電子回路では価格面や大きさ等の問題があるため殆ど使われませんが...)

先程は、電圧v(t),抵抗R、電流i(t)の関係を書きましたが、では、抵抗ではなくコンデンサやインダクタならどうなるかといいますと、それぞれ以下のようになります。

{v_C}(t)=\frac{1}{C}{\Bigint}_{-\infty}^{t}i(t)dt

{v_L}(t)=L\frac{di(t)}{dt}

ここで、RLC回路を考え、キルヒホッフの第二法則(電圧則)を適応すると、

v(t)=Ri(t)+L\frac{di(t)}{dt}+\frac{1}{C}{\Bigint}_{-\infty}^{t}i(t)dt

が導出されます。


高校物理では、一般にはRLC回路の定常状態(≒充分時間がたったとき)までを扱っていたかと思いますが、大学の電気回路では過渡現象(≒時刻0[s]から充分時間がたったとき)まで扱っておりますので、一連の回路応答が分りますので、解析できることになりますね。


過去の記事でRLC回路を微分方程式を用いて解いていますので、そこへのリンクを貼っておきますので、参照して下さい。

電気回路理論における過渡現象とは!?

今回は、これで終えますが、次回は、この微分方程式ラプラス変換を使ってよりテクニカルに解いていきますね^^