特殊相対性理論.

 今年は、世界物理年と称して様々な物理学に関連した書籍が出版されている.注目を集めつつあるアインシュタイン相対性理論から丁度100年が経過したことから、記念すべき年として、国連の承認を受け企画されたものである.
 そこで、今回取り上げるテーマは、『光速度不変の原理』と『相対性原理』を一括した『特殊相対性理論』であり、この論文の発表後、アインシュタインは『光とは何か?』を議題として50年間考え続けた結果、何一つとわからなかったといっている.そもそも『特殊相対性理論』とは、光の真の正体が認識できない状況下での考えであり、信憑性が揺らぐ結論であるといえる.通常、物事を考える上では、対象の正体を理解して、はじめて考察が可能になるかと思う.繰り返すが、『特殊相対性理論』では、いってしまえば定義が曖昧な状態での結果の導出ということである.そこで、アインシュタインは『自然科学が光とは何かを知るべきではない』といっていると言及している.自己の能力の限界から、そう発言するのは自由だが、こればかりは現代の物理学者・天文学者に寄与し光の謎についての解明を期待するしかないだろう.
 この『特殊相対性理論』を巡って現在まで様々な議論がなされて来たが、今でも光速度不変の原理が、物理学・天文学者や常識人に受け入れられている.そもそも、何故光は一定の速度でなければならないのか...アインシュタインは16歳のとき、光を自分も光の速さで追いかけたらどうなるのかと疑問に思ったそうだ.そして、もしそのようなことが可能なら、光は静止してみえることになる.しかし、そのような現象は余りにも不自然すぎるという理由から『光速度不変の原理』を打ち立てます.つまり、すべての座標系からみて、光の速度は同じだということです.この原理を裏付けるには数学者兼物理学者であるローレンツに因るローレンツ変換が背景にある.
 しかし、光速度が一定という事自体、蓋然性を伴っていないような気がしてしまうと思う.この原理においては、宇宙空間を光速度Cで伝播し、また、地球上も光速度Cで伝播しているとされいる.ここで疑問に思えるのが、もし仮にそうならオリオン座リゲルは700光年地球から離れているとされているが、今観測しているリゲルは過去のリゲルということになります.つまり、過去をみているのであって、現在はどうなってるかわかりません.宇宙空間やその他の何億光年も離れた星々はすべて過去のものをわたしたちはみていることになる.地球上のモノだって皆そうです.要は、現在を我々は知らないということに繋がります.これは何とも不思議な光景だと思われるでしょう.
 それに対する案として、光は遠隔作用によって、要は光源から出た光が瞬時に我々の目の前に現れる現象によって、宇宙空間も踏まえた自然界の対象事物を全て現在と捉える概念たるものも考えられるわけです.何故なら、ニュートンが発見した万有引力は遠隔作用によるものである.物体と物体が相互に空間的に影響を及ぼしあって運動しています.これと同じ事が光についても当てはまるかもしれないということです.
 結論として、光速度不変の原理から、波でもなく電磁波でもない光(現在は光は電磁波と捉えるのが有力のはずだが)はどうしても不都合が生じえてしまうことが根本問題として取り上げられる現状があるということである.マイケルソン・モーレーによる実験結果から生まれた特殊相対性理論アインシュタインが何故、自分で論文を発表しておきながら、亡くなる4年前に『光が何であるか50年間考えたが結局はわからなかった・・・』といったのか、多少なりとも理解できたかと思う.

光とは何かを説明できるなら、アインシュタインをも凌ぐ神に最も近い存在となるかもしれませんw

※この場をお借りして、次回からの特集(数学)は線形代数学を中心に説明していくつもりです^^