時間とは...

いつも気にしている『時間』について、いざそれは何かと聞かれると皆さんは行き詰るのではないでしょうか?

中世の哲学者アウグスティヌス『時間とは何かと問われるまではよくわかっている。しかしいざ問われるとわからなくなる』といっています。

ここで多少『時間』について知って頂くために、ちょっとした考え方をいくつか紹介します。

時間には、以下のようにどの視点でみるかによって思考法が異なりますので、それぞれ別々に例を述べますね。

①哲学的な時間
②物理学的な時間
③生物学的な時間
④○○な時間 

①については、大哲学者プラトンの弟子であるアリストテレスは時間を『運動や出来事の先後を表す数』といっています。これは、因果関係の非可逆性を意味しています。

②では、物理学というより数学に近いですが、時間を一本の直線で表し、出来事の前後関係を考えています。

③は、これは生物によって時間の感じ方が違うということであり、人間とネズミは相対的な観点でみると、ネズミの方が人間にとったら時間が早く進んでいるといったようなことです。

①、②、③の共通点といえば、基本的には『時間』を『過去から現在、そして、未来へと進んでいる』と捉えていますよね。

では、『時間』とは常に進み続けるのでしょうか?

それともループを描くように、時間は再スタートするものなのでしょうか?

それとも…、時間は反転可能なのでしょうか…?

次に考えることは、本来、『時間』は『過去、現在、未来』と区別されていますが、そもそも何故そうしているのかってことです。

当然のことながら、我々は時計という尺度を用いてはっきりと『過去、現在、未来』を位置づけし、それらを何の疑いもなく認めていますよね。

しかし、こういう考え方はどうでしょう?

万物の根源は『素粒子』です。

つまり、量子力学に従う素粒子が、時間の先後関係が分らぬよう振る舞うことがわかってますので、ミクロ界では、『過去、現在、未来』は全く区別できないでしょう。

マクロ界では、エントロピーが大きく『考えることのできる人間』が存在しますから時間は一定方向に進む(人間による認識が可能)、といわれれば、それはそれで正しいのかもしれません。

これは、人間原理にも絡んでくるかと思います。

要するに、人間が今ここに存在するから、時間が存在するってことです。

話を多少転じて、宇宙論的な時間を考えてみるとどうなるでしょうか…。

今、アインシュタインが残した宇宙定数項によって、第二(或は第三)の宇宙膨張仮説が立てられています。

一方で、宇宙膨張に対して、最期に宇宙は収縮して、ビッククランチで終るっていうことも考えられますから、この場合、時間は溯ることも可能性としては有り得ることになってきますよね。

更に、第3の説として、宇宙膨張はいづれ静止するっていうのもあります。

最後の場合は、どうなってしまうんでしょう・・・

量子論の世界と重力(=一般相対性理論)の世界は『時間』を考える上で必ず関わってきますから、説明するのはかなり難しいでしょう。

もう頭を抱えてしまいます・・・(--;)